その胃ろうは誰のために作るのですか?

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【その胃ろうは誰のために作るのですか?】

以前の記事で

「終活で考える延命治療とは?」

という記事を書きました。

その記事はこちら

延命治療の中の1つに、

「胃ろう」というものがあります。

今回はその胃ろう造設について

実際に私が見た事例から考えてみたいと

思います。

口からご飯が食べられなくなった

認知症と筋力低下が進行し、

口からご飯を食べられなくなった方がいらっしゃいました。

仮にAさん:女性とします。

Aさんは認知症のため、

食事を食事と認識できなくなり、

食べ物を口に近づけても、

口を開けなくなりました。

そして、

頬や喉の飲み込む為の筋肉の

力が弱くなり、

食べ物をなんとか口に入れても

すぐにむせるようになりました。

ムセるとは?

●健康な方がムセる場合

食べ物が何かのはずみで気管に入った場合

咳き込むことで、気管に入った食べ物を

出そうとする反射です。

●喉の筋力が弱っている場合

喉の筋力が弱っっていると

はずみで気管に入った食べ物を

咳で出すことができなくなります。

そして、

そのまま気管に入った食べ物が

原因となり、肺炎を引き起こします。

これが、

誤嚥(ごえん)と言われるものです。

誤嚥をくりかえすと迫られる選択肢

このように、誤嚥を起こすことが多くなると

肺炎を繰り返すので、

食事を食べることができなくなります。

肺炎を起こし続けても、食事を食べるのか?

それとも、肺炎を起こさないように、

食事をやめるのか?

という選択をさせられます。

今回Aさんは認知症のため

自分での判断ができないので、

その判断は残されるご家族に委ねられます。

そこで、

食事を食べないことの代わりの方法として

「胃ろう」と言いうものが

主治医から提案されます。

そのような状態になって、

初めて家族はどうするのか?を考えるのです。

ちなみに、この時

主治医から

「胃ろうを作ることは延命治療になります」

とは絶対に言われません。

もちろん、どちらを選ぶかは

ご家族の判断です。

家族の苦悩

「胃ろうをつけないと、

お母さんはあと数週間中に亡くなります。」

さらには、

「胃ろうを付けないと入れる施設はない」

と言われることもあるようです。

こんなことを言われると

胃ろうを付けざるを得ないと思いませんか?

家族の気持ちとしては、

「胃ろうを付けなかったら、

親を見殺しにするのではないか?」

「次に入れる施設がなかったら

寝たきりの親を急に自宅に連れて帰って、

介護を強いられるのは辛い」

と頭をよぎるのです。

そして、仕方なく胃ろうを作ることへの

同意書にサインをする場合があります。

少しでも見込みがあるのなら助ける方を選びたい

また、

食事を食べられなくなる=すぐに亡くなる

と連想します。

そうなった場合、

その配偶者(Aさんの夫)の精神的負担が大きいために、

残される父のために

胃ろうをつける選択をするケースが意外と多いです。

この気持は非常にわかります。

私が父を亡くした時、

私の脳みそを半分あげてもいいから父を救って欲しい

と思いましたから。

今思うと、そんな事できないのは当たりまですが、

当時の私はそうできると信じていました(笑)

残される家族としては

自分のした選択で

配偶者や親の死につながることはできないのです。

もし、あなたが家族を亡くしたことがあるならば

わかるかもしれませんが、

家族を亡くした時

残される方は、自分の身体の一部をもぎ取られるくらいの

痛みを感じるものです。

それを本能的に避けたいと思うのは

当たり前です。

そして、

残される父(Aさんの夫)の生きがいや

支えとなるAさんが亡くなることで

父の元気がなくならないように

と子どもたちが

胃ろうを選択するのです。

一旦、立ち止まって考えてみてください

一度たちどまって考えて見てほしいのですが、

これって家族の思いじゃないでしょうか?

そのご本人の意志や想いは考慮されていますか?

と疑問に思ってしまうのです。

看護師の立場で実際は

そのようなことを口にすることはありません。

しかし、

もし、ご本人さんが胃ろうを望んでいないとしたら?

その選択で本当に良かったのですか?

希なケースではないです

「胃ろうなんて、自分には関係ない」

とあなたはお思っていませんでしたか?

実は、こんなケースは結構多いです。

自分では話せなくなってしまってから

自分の意志を伝えておけばよかった

胃ろうを付けられるなんて思いもよらなかった

とならないように

そして、

親に胃ろうを付けて本当に良かったのか?

と残されるご家族が悩まないように

元気なうちから

最期の意志を話し合っておきましょうね。

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